ミッドセンチュリーデザインの最盛期に、美しき家具たちを生み出した”北欧デザイナー”による20世紀最大の「材料革命」がコレ!!

 

【ちょっと今さら地味で目立たないけど…”合板(ベニア板)”に脚光をあててみる!!】

 

コチラ…

リフォーム工事中のワンショット!!

「ん?? なんだ??」

何か大工さんによる「落書き…」がされているの??

コレ??

小学生の時に活躍した「分度器」みたいな絵ですね~??

 

でも

「ちょっと、勝手に私たちの家に落書きしないでよ…」

「みかんの絵??」

と、怒られてしまいそうですが…

お客様のお住まいのインテリアリフォームを、より綺麗に仕上げるために

どうしても必要な「落書き…(じゃない!!)」ですのでご理解とご了承を…

 

で、一番上の謎のリフォーム工事施工中の写真をちょっとご説明!!

「落書き(じゃない)」がされているのが、お客様のお住まいのお部屋の「天井」

その天井に並んで刺さっている(ん?)、木の棒が最終的には見えなくなって

しまう壁の「柱」となる木材ですね!!

 

コチラの写真は、創業95年 東証1部上場 住宅資材総合商社ジューテックグループ

ジューテックホームがお届けしております

高性能注文住宅 “北欧の家” ウェルダンノーブルハウス

の建築で「構造駆体工事(フレーミング工事)」が終了したタイミングのお写真!!

で…

コチラの構造駆体の[柱]と比べると、今回のリフォームの「柱」は随分と適当な間隔で

しかも壁の隅の部分もピンと角張ってないんじゃないの??(心配)

なんて思わないでくださいね…

 

最終的にはこんなインテリアの壁を造るときの工事方法なんです!!

(photo : イメージです)

なんだかちょっとカワイらしい??湾曲線デザインに曲がった壁ですね!!

この様な曲線の壁を、一般的に建築業界では「アール壁(R壁)」なんて言い方

をするんですね!!(Rって… 「round(円形)」のRかな??)

だから…

実際にお客様のお住まいの天井に描かせて頂いた「落書き(じゃない)」は

綺麗に「円形(round)」の角度を出すための分度器変わり!!

 

そこでちょっと疑問??

柱は写真の様に[円形の角度]に合わせて、設置すれば良いのだけど…

まさに壁自体はどうやって、きれいな可愛らしい滑らかな円形を造るの??

とは…

まずお客様は考えないと思いますが…(爆)

実際に建築現場では、こんな「アイテム」を使用しているんです!!

「曲げ合板(R合板)」

スゴイ… あの家を支える為にも使用するほどの堅いベニア板が曲がっている!?

まさか、リフォーム現場でこんな方々が「おりゃぁ~」って??

の訳はない…

コレ、

圧力と熱をプレスしながら掛けることによって成型された商品なんですね

使用するベニア(合板)の厚みやどのくらい曲げるか??などその現場その現場

で使用するカタチに合わされた規格が用意されているんです!!

特別に指定すればこんな形も加工は可能なんです!!

実際に住まいの壁と使用するベニア板は強度がより必要な為、R形状に加工された

厚いベニア板を使用し、先ほどご紹介した曲線に並べられた柱に1枚1枚の

成型合板を貼り付けていくんです!!

コチラはイメージですが、こんな感じ!!

そして、住まいの壁としては、最終的にこんな感じの下地壁が出来上がる訳ですね!!

 

型に流し込んで固めるプラスチック製品ならともかく、木や板でこんな「曲線」を

綺麗に描くなんて、”近年の技術”ってスゴイですよね~!!

 

と思いきや…

実はこの成型合板の”技術”には、思いのほか古い歴史があるんです!?

 

 

 

【すまいのプチ知識】

 

この様な加工を施された合板(ベニア板)を建築用語では

「成型合板(せいけいごうはん)」なんて呼ぶんですね!!

 

まずその前に!?

Q: いまさらですが… 「合板」と「ベニア板」と「コンパネ」って違うの??

A: 建築に携わる方々の中でも、こんな単語が入り混じって使用されている「合板」

ちょっと簡単に!!

現在ではホームセンターなどでも販売されているあののことですね!!

現在の木造戸建て住宅の建築でも、床や壁、そして屋根を支える構造下地材として使用

されており、特にお住まいの耐震性や強度にも関わる大切な構造材の一つなんです!!

数ミリの「単板(たんぱん)」と呼ばれる薄い木を1枚1枚接着剤で貼り合わせ

製造するんです!!

その製造作業中の注目点は、1枚づつ薄い木の方向を縦横タテヨコ直交

させて向きを変えて重ね貼りをして製造しているんです!!

コレは「木の繊維方向」を混ぜ合わせることによって、より強度が増し

完成後の板の反りかえりや寸法の安定性を増すことが出来るんでね!!

 

この様な製造方法で薄い木を重ねわせて造られたが「合板(ごうはん)」

そして、

本来、この合板を製造するために使用する[薄い木(単板)]を「ベニア(Veneer)」

「ん??」

そうなんです。本当は合板を構成している1枚1枚の単板が「ベニア」なんですが

現在では、合板を指してベニア(板)とも一般的に言われる様になっているんです!!

ちなみに、合板は英語では、「プライウッド(Plywood)」

さらに…

昨今のホームセンターなどでは、「合板(ベニア板)」を「コンパネ」なんて表記で

販売されているのを良く見かけますが…

コチラも厳密には間違い!?

「コンパネ」の正式名称は、「コンクリート型枠用合板(パネル)

木造戸建て住宅の基礎工事やビル、マンションの工事で、最終的に壁などとなる

コンクリートを流し込む為の型枠工事専用に作られた合板を「コンパネ」と短縮して呼ぶんですね!!

 

実は、同じように見える「合板」の中にも、「構造用合板」「普通合板」「コンクリート

型枠用合板」「化粧合板」「難燃合板」「撥水合板」など、その単板(ベニア)の厚みや樹種

使用される接着剤やサイズ、そして製造方法の違いからたくさん種類があるんです!!

 

【すまいのプチ知識 その②】

 

Q:合板(ベニア板)っていつ頃から使われていたの??

A: 多分、世界的には100年位前からはあった感じしませんか??

なんて疑問を抱く方もいらっしゃるかも??

コレ…

驚きなんです…

なんと、世界的には薄い板を貼りあわせた合板はこの頃からもう製造されていたんです!!

古代エジプト期

「古代エジプト」文明って本当にすごかったんですね…

まぁ、ツタンカーメン王のマスクも現代の「タカラスタンダード」のキッチン同様の

ホーロー(琺瑯)技術が使われていたんですからね!?

 

紀元前3,000年頃から良質な木材が取れなくなった理由から生まれた

合板製造の技術。

当時から1本の丸太から単板を切りだす技術や、その単板と単板を貼り付ける

「接着剤技術」もあったと思うと凄過ぎ!!

 

「ん??」

って、コトは… まさか…

 

先ほどお話をしておりました「成型合板」も…???

 

 

【すまいのプチ知識 その③】

 

あの!? 湾曲に加工された「曲げ合板」などの[成型合板]もまさか…

でも、現代ではプレス機による圧着や熱加工などが可能ゆえ理解できるけど…

「えっ?? 本当に??」

ハイ!! こちらの商品をご覧ください!!

って…

例えば!!コレ!!

コレらは様々な加工が施された古代エジプト時代の「棺(ひつぎ)」

この木で造られた棺の中には、成型された合板で造られたモノも数多く

見つかっているんだそうです!!

確かに…

綺麗な湾曲を描くデザインのモノもたくさんありますよね!?

 

 

【すまいのプチ知識 その④】

 

【成型合板】の技術と【北欧の家具】の関係!!

 

コチラ…

とっても有名なコノ椅子は、特別に「北欧家具」に興味のある方では

なくてもご存知かもしれませんね!?

(photo : https://www.connect-d.com/)

念のためご紹介しておくと、コチラは1955年に誕生した「アルネ・ヤコブセン」デザイン

の「セブンチェア

ちなみに、デンマークだけでなく北欧を代表するデザイナーであるヤコブセンの

他の代表作はコレ!?

スワンチェア」や「エッグチェア

ジューテックホームのまちかどモデルハウス”都筑の家”にも展示されていますね!!

 

当時から家具においても世界のデザイントレンドを牽引していた「北欧家具」と

数々の「北欧デザイナー」たち!!

実は上の2脚の「セブンチェア」と「スワンチェア」でもご説明できるのですが

”この頃”に北欧家具デザインも大きな変革が起こった時期なんです!!

 

1950年から1960年にかけて、1900年代の中頃(世紀の中間)に

アメリカが中心となり、住まいのインテリアや家具を中心にデザイン革命がおこるんです!!

「ミッドセンチュリーデザイン」

ちょうど第二次世界大戦が終結し帰還した多くの軍人が家庭をもち、そこから

未曽有の住宅ブームが起こったんですね!!

その住宅ブームで数多くの家具メーカーが潤い、その大きな需要から、アメリカ国内でも

より多くのデザイナーが輩出され、インテリアデザインの進化にも繋がったんです!!

しかも、世界大戦で疲弊をしたヨーロッパと比較して、本土が無傷であったアメリカ

は、その後の世界のマーケットの中心になっていったんです!!

 

このアメリカの戦後の好景気を背景にしたミッドセンチュリーデザイン最盛期の時代には、

インテリアや家具のデザイン先進国であった北欧からも多くのデザイナーが海を渡り

アメリカで活躍したとともに、そのミッドセンチュリーデザインの影響を受けた北欧デザイン

が、この時期にオリジナルの進化を同時に遂げていったんです!!

(photo : エーロ・サーリネン(フィンランド) ウーム)

コチラはフィンランド出身のエーロ・サーリネンの作品「ウーム

早々にアメリカに渡ったサーリネンは、アメリカのミッドセンチュリーを代表する

デザイナーの一人として活躍したんですね!!

この「チューリップチェア」は、現代でも人気の一作!!

 

そして!!

ちょうどミッドセンチュリーのデザインの時代に、「北欧家具」の数々の

代表作を生み出すきっかけとなった「技術」があるんです!?

これが、まさに最初にご紹介した

「成型合板」

(photo : https://www.connect-d.com/)

 

それまでは、先に紹介した「スワンチェア」「エッグチェア」の様に、鋼製の骨組みに

北欧伝統の美しいファブリック(生地)を加えた家具が主流であった[北欧家具]

例え木製であってもデザインの基調は「ストレート」なタイプであった時代に

木の美しさをそのままに、新たに木で3Dの綺麗な曲線を加えたデザイン

加わることになったんですね!!

その3Dの湾曲デザインを造りだすために使用されたのが「成型合板」だったんです!!

コチラは、ヤコブセン同様にミッドセンチュリーの時代に世界的なデザイナーの

一人であるフィンランド出身のアルヴァ・アアルトの作品 「アームチェア」

デザインの中心に成型合板で造られた綺麗な曲線の「アーム手摺」や「座面」を採用した

「アームチェア」は北欧モダンデザインの中でも「材料革命」の一つと言われている作品!!

 

しかも「成型合板」による家具は、その美しさだけでなく、現代の建築でも

使われている程の「強度」も当時の家具に新たな魅力として加えられたんです!!

(photo copyright : https://www.connect-d.com/)

 

現代の美しい家具の租となった「成型合板」を使用した美しい家具たち…

(Photo Copyright : Fritz Hansen HPより)

 

 

ミッドセンチュリーモダンデザインで脚光浴び、現代に至るその後の美しいデザイン家具

をも支え続けている「成型合板の技術」の進化は

実際に、ミッドセンチュリーの時代は戦後で世界的に物資が不足し、良質な無垢木材

も入手が困難であったことや、戦時中に「成型合板」による製品造りの技術が

飛躍的に革新したのも背景に…

日本だけでなく世界中で開発されていた「木製戦闘機」もその一つ!!

 

その様な背景の中、「北欧デザイナー」が中心になり現代の高級家具製造にも

繋がっている「材料革命」の礎となった「合板(ベニア板)」

 

今日のブログは、ちょっとこんな今では地味??で当たり前になっている建築資材に

焦点をあててみました!!

 

 

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BY 建材商社マン

 

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